2014年9月の御嶽山噴火を踏まえ、国内で不足している火山研究者の育成・確保を目的に、文科省が2016年から実施している10年計画のプロジェクト。「次世代火山研究推進事業(主に研究を担う)」と「火山研究人材育成コンソーシアム構築事業(主に教育を担う)」で構成され、本研究室はこのどちらにも参画しています!
人材育成コンソーシアムでは、大学院生を対象に、火山学の幅広い知識(理学的側面だけでなく、工学・社会科学などを含む)と専門性、そしてそれを社会へ応用できる火山研究者を育成するのが目的。大学間連携による講義、国内外の活火山フィールド実習、研究機関や自治体へのインターンシップなど、基礎コース(修士型)では2年間のカリキュラムを経て修了証が授与されます(発展コース(博士型)に進むと+3年間)。本研究室からも、例年、数名の学生が受講生として認められ、海外火山でのフィールドワークなど貴重な講義・実習を体験します。
研究対象とする火山は、北海道、東北、関東、九州そしてカメルーンやニュージーランドにまで及びます。個々の火山を調査し、その火山はどのくらいの時間をかけ、どんな噴火様式で形成されてきたのか?いつ、どのような噴火が、どんな規模で起こったのか?といった噴火史を明らかにします。
さらに、現地で採取した岩石試料の顕微鏡観察や化学組成分析を行い、火山の本質であるマグマ(供給系)の発達・変遷史を解明していきます。
2020年は、富士山、那須、北海道、鳴子火山、吾妻火山、三宅島などを調査しています。また、岡山理科大学との共同研究で、岩石の年代測定も行っています。
本研究室の教員は、岩石鉱物学や火山学の授業科目を担当しています。大学院生もティーチング・アシスタントとして活躍します。科目名は、「マグマの岩石学」、「火山環境学」、「地球科学巡検(火山実習)」、「岩石鉱物学実験」など。たとえば「地球科学巡検」では、4泊5日で、毎年違う活火山を巡り、実践的なフィールド火山学を学びます。富士山、草津白根山、浅間山、磐梯山、安達太良山あるいは北海道などで現地研究者の協力も得ながら、時には特別な立入区域(写真は昭和新山)で貴重な体験実習も行います。これらの科目は、茨城大学理学部の地球環境科学科で実施している「地球科学技術者養成プログラム(JABEEプログラム)」においても重要な役割を果たしています。
2020年の9月は、「地球科学巡検」で、北海道の火山実習を予定しています!
本研究室では、小中高生や一般の方々に向けた学内行事や出前授業も積極的に行っています。たとえば、毎年4月に茨城大学理学部で行うサイエンス・テクノロジー・フェスタでは、キッチン火山学を展開します。キッチン火山学では身近な食材を使って「安全に」「おいしく」噴火を再現し、火山の諸現象を理解することができます。なかでも人気の「チョコプリン成層火山」(テキスト16ページ参照)は本研究室の卒業生が発明したものです!
今年もキッチン火山学をはじめとする催しや講演を行ってまいります。
研究・教育活動の合間には息抜きも必要です。研究室の仲間で、コンパや旅行に行くことも。恒例行事は、研究室配属された3年生の歓迎コンパ、夏季休業に向けてのフィールド突入コンパ、忘年会、新年会、そして追いコン。。。各種スポーツイベントなども重要な発散の場です!